NBL日立サンロッカーズ東京 VS 千葉ジェッツ ~ジェッツのレジェンドがヘッドコーチ代行としてチームを救う~

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墨田区総合体育館で開催されたこのカード。3月3日、ここまで不振を極めていた千葉ジェッツが思い切った大手術に踏み切った。ジェリコ・パブリセヴィッチ氏のヘッドコーチとしての契約解除を発表したのである。後任は、千葉ジェッツ創設から4年連続キャプテンを務め、背負っていた背番号0も球団の永久欠番として歴史に名を残した”レジェンド”、佐藤博紀(さとうひろき)となった。

準備期間も2日しかなかったという状況の中、初陣となった土曜日は、79-74で敗れた。「リバウンドの部分をしっかり対応しよう」とこの日の試合前、佐藤HCは選手たちに伝えた。

そして、日曜日。新体制初勝利なるか!

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1Q 日立東京は#15竹内から#42ハイトベルトへのワンタッチパスが2本決まり、インサイドからきっかけをつかむ。千葉も#5リカードがディフェンスファールをすると、すぐに佐藤HCはリカードを下げ、#13チャップマンを投入する。今までには無かった早い時間帯からの選手交代だった。そして、日立東京がディフェンスをゾーンに変更したところから少しずつゲームは動く。#11西村 #2冨樫というポイントガードを欠いた千葉は、前日同様に#1阿部がスタート5に名を連ねる。#34小野のゴールが決まった後だった。阿部がスチールから、楽々とファストブレイクを決めて勝ち越しゴールを決める。日立東京は#10チェンバースを投入するが、千葉は、チャップマンがゴールを決めるなど、リードを広げる。終盤には、阿部がゴールを決め、そのあとのオフェンスでは、ゴール下で素早く反応し、チャップマンのゴールをお膳立てして1Qが終了。1Q終了 日立東京 11-18 千葉

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2Q このQは阿部のスチールからゲームは始まる。得点には繋がらなかったものの、その後のゲームのリズムを作る。そして阿部に変わって、コートに投入されたのは#27石井だった。「ガードとして使うからと言われていたので、自分なりにシュミレーションをしていた。長くポイントガードをしていた人と同じことはできないけど、自分なりに考えそれができた。」と試合後、石井が語るように、自らボールコントロールをし、レイアップを決める。たまらず日立東京ベンチはタイムアウト。しかし、石井の勢いは止まらなかった。日立東京#24広瀬に3pを決められるものの、その前後でしっかり得点という仕事をし、残り5:22日立東京は再びタイムアウトを要求する。タイムアウト後、石井の得点で今度はオフィシャルタイムアウト。千葉は9点リードとする。日立東京もそう簡単には流れを渡さない。#1木下が3pを決めた後、広瀬が果敢にスチールを狙いに行く。まずは途中出場の千葉#12岡田のミスを誘って、岡田のディフェンスファールにより、フリースローを2本揃える。次の獲物は、千葉キャプテン#34小野。ここでもしっかりものにして、自ら得点。#42ハイトベルトのゴールで同点に追いつく。今度は竹内が千葉のボールを狙った。千葉小野のミスを誘う。しかし、ここは阿部がディフェンスファールで踏みとどまり、流れを切る。そして、リカードがゴールをし、さらに#1木下のディフェンスファールの時に、日立東京オルソンHCがレフェリーに抗議し、テクニカルファールを宣告される。終盤、#18ジョーンズが得点を決めて千葉2点リードで前半終了。前半終了 日立東京 33-35 千葉

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3Q 立ち上がり、日立東京はすぐに同点に追いつくが、広瀬のオフェンスファールで流れは千葉に。阿部の3p、#25荒尾のゴール。再び阿部の3pで一気に引き離す。千葉は7点リードをキープしたまま、終盤へ。残り2:22千葉がタイムアウトを要求後、再び石井をポイントガードに据える。直後に小野の3pが決まる。石井がQ最後にオフェンスリバウンドから得点を決めて8点リードで最終Qへ。3Q終了 日立東京 48-56 千葉

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4Q 千葉は小野のターンオーバーから、日立東京チェンバースにファストブレイクを決められるが、その後のオフェンスで石井が3pを決めて流れを相手に渡さない。日立東京は、選手を入れ替え流れを呼び込もうとするが、千葉のディフェンスに阻まれる。千葉のリードがみるみる広がっていく。終盤は連携プレイから得点を決めるシーンもあり、勝負を決定づけた。終わってみれば、13点差で千葉は勝利した。

試合終了 日立東京 60-73 千葉

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スタッツを見ると、インサイドに絶対の自信を見せる日立東京に対し、この日はリバウンドで2本多く取り、特に阿部が9個のリバウンドという結果となった。もちろん、阿部がゴール下で取りに行ったというのもあるが、相手インサイドと互角に戦った、千葉のインサイド陣の粘りもあったからだろう。

そして、この日がヘッドコーチ代行として初勝利を飾った佐藤HCは満面の笑みで我々の前に現れた。そして、力強く握手をしてくれた。「選手がわかりやすいように練習をし、選手が試合で実行したということだけです。チームとしてしっかり機能できるように実行しただけです。ディフェンスをしっかり明確化させることが大事だと思いました。みんなで話し合いをし、選手が持っているものを生かしただけです。」木曜日・金曜日しかなかった中、しっかり対話をした様子が伺える。

「こだわっていくところは、選手をしっかり生かしていくということです。勝たしてあげられるように、スパイスを与えるだけです。」

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ガードがいない中で、石井をポイントガードで起用する場面もあった。「あれは、石井用のゲームメイクでした。」と、柔軟な選手起用も見せた。

チーム創設時からキャプテンを務め、昨シーズン限りで現役引退を決め、背負っていた背番号0は永久欠番となった。今シーズンはアンバサダーとして千葉ジェッツに携わっていたその”レジェンド”が、チームの危機のために、ヘッドコーチ代行という肩書きながらチームの再建を託された。チームのことを誰よりも知っている”レジェンド”だからこそ、この日の選手起用ができたのかもしれない。選手との距離感を大事にしながら、千葉ジェッツらしさを取り戻すべく、これから残りプレーオフに向けて、ジェッツの”レジェンド”は、指揮官として闘う。

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